豚肉料理

【とんかつ肉が柔らかくなる】肩ロースの下処理方法をお肉のプロが解説

家でつくる「とんかつ」

お店で食べる「とんかつ」と何か違う。

お店で食べるのは「やわらかくて美味しい」。

お店の「とんかつ」と自宅の「とんかつ」は何が違うのか?

って思ったことありませんか?

違いは・・・

下処理です

そう、、
お店の「とんかつ」は、料理のプロが、しっかり下処理しているんです。

ということは、下処理をしっかりやれば、お店の「とんかつ」に近づけることができるかもしれない。

特にとんかつは、厚いお肉を使うので、下処理はとても大切です。

「とんかつ」がやわらかくなる下処理とは?

今回は、「肩ロースとんかつ」を柔らかくする下処理方法をご紹介します。

この記事では、
・とんかつの下処理とは?
・肩ロースの筋切りの仕方
・肩ロースをもっとやわらかくする方法
などをご紹介します。

では、はじめます!

 

 とんかつ肉がやわらかくなる方法

とんかつ肉を柔らかくする方法とは、「筋切り」です。

筋切りとは?

筋切りとは、脂身と赤身の間に切り込みを入れる下処理のこと。

筋切りをすることで、
・とんかつ肉がやわらかくなる
・とんかつ肉の反り返りなどを抑えることができる
・反り返りを抑えることで均等に熱がはいりやすくなる
・反り返りを抑えることで出来栄えがよくなる
などの効果があります。

肩ロースの筋切りの仕方

それでは早速、肩ロースの筋切りの仕方をご紹介します。

下の画像がとんかつに使う肩ロースです。

肩ロースの青い印に注目してください。

肩ロースの筋切りは、青印の箇所の脂身と赤身の境目に切り込みをいれてください。

包丁の先端か根本で3〜4cmくらいの間隔で数か所入れてください。

筋切りする時の注意点

筋切りする時の注意点です。

筋切り箇所を多くしすぎると、お肉の旨味が逃げてしまう原因になるので、「筋切りのやりすぎ」には注意しましょう

そして、もう一つ。

筋切りすると、その部分のお肉が伸びてしまいます。
筋切りが終わったら、元の形になるように整えてください。

筋切り後に形を整えることで旨味成分の流失を抑え、出来上がりもきれいになるので必ずやっておきましょう。

肩ロースとんかつをもっと柔らかくする方法

肩ロースとんかつを、より柔らかくするためには、もうひと手間必要です。

赤身と脂身の部分は、筋切りで柔らかくなります。

しかし、その他の部分もやわらかい方がおいしいですよね?

やり方は、包丁の先端部分を使い、とんかつのお肉の面に対して、斜め45度くらいの角度でブスブスと数回刺してください

斜めに刺すことで、肩ロースの繊維が短く切れて柔らかくなります。

この一手間でより柔らかくなります

ぜひ、お試しください。

なぜ、やわらかくなるのか?

こちらの記事で詳しく紹介しています。

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とんかつ肉を柔らかくする「筋切り」以外の方法は、下の記事が参考になります。

とんかつを柔らかくする簡単な方法は?

 

「やわらかくて」「美味しい」とんかつ作りのためには、下処理は大事です。

しかし、それ以上に大事なことは「お肉選び」。

今回は、とんかつ用「肩ロース」の選び方についてご紹介します。

とんかつ肉におすすめの肩ロースの選び方

わたしが、肩ロースでおすすめする部分は、

ロース側のやわらかい部分です。

断面は、


〇で囲んだ部分は、牛肉でいう希少部位「ザブトン」がある部分。
ザブトンを含む部分は特におすすめです。

ザブトン部分は、味も濃厚で旨味たっぷりの部分なので、「とんかつ」にはとても最適です。

しかし、とんかつに選んではいけない部分があります。
それがネック側。

肉質も硬く、とんかつなどの厚切りで使う料理には不向きなので選ばないようにしてください。

断面は、こんな感じのお肉です。


キメも粗く硬めの肉質なので、とんかつ向きではありません。

とんかつ用の肩ロースを購入する時には、上の画像を参考に選んでくださいね。

やわらかいて美味しいとんかつのためには、「とんかつ肉の厚さ」も大事です。

あなたは、どのくらいの厚さのとんかつが好きですか?

とんかつのおすすめの厚さは?

とんかつ肉の厚さは決まっているのか?

特に、

決まりはありません。

では、
おすすめの厚さは?

これは、とんかつに使用する部位よって違います

ある程度の厚みがないと、とんかつの醍醐味の「ジューシーさ」を味わうことができないので「2~3cm位」は必要です。

「ロース肉」「肩ロース肉」「ヒレ肉」はやわらかい部位なので、2~3cm位の厚みがおすすめ

実際、スーパーの売り場に並んでいる「ロース」「肩ロース」のとんかつ用のお肉は、2~3cmの厚さで切られているものが多いです。

「もも肉」は、肉質が硬めなので、ヒレやロースと同じ厚さだと硬く感じます。
もも肉をとんかつにするのであれば、一口サイズの大きさにしてください。

そして、1〜2cm位がやわらかく食べれる厚さになります。

とんかつは、「筋切り」をしたり、衣をつけたりと、作る手間のかかる料理ですよね。

それなら、多めに作って冷凍保存すると便利です。

冷凍保存と解凍の仕方は下の記事でご紹介しています。

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とんかつ肉がやわらかくなる肩ロースの下処理方法まとめ

とんかつ肉がやわらかくなる下処理方法をご紹介しました。

筋切りとは、脂身と赤身の間に切り込みを入れる下処理のこと。

筋切りをすることで、
・とんかつ肉がやわらかくなる
・とんかつ肉の反り返りなどを抑えることができる
・反り返りを抑えることで均等に熱がはいりやすくなる
・反り返りを抑えることで出来栄えがよくなる
などの効果があります。

そして、筋切りする時の注意点の1つ目が、
・筋切り箇所を多くしすぎないこと

筋切り箇所が多くなりすぎると、
・お肉の旨味が逃げてしまう原因になる

筋切りは必要ですが、筋切りのやりすぎ」には注意しましょう

そして、筋切りの注意点の2つ目です。

筋切りすると、筋切りした部分のお肉が伸びてしまいます。
筋切りが終わったら、元の形になるように整えてください

筋切り後に形を整えることで、
・旨味成分の流失を抑える
・出来上がりもきれいになる
ので必ずやっておきましょう。

とんかつ肉がやわらかくなる「筋切り」をご紹介しました。

参考にしてください。

最後まで、お読みいただきましてありがとうございました。

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はじめまして。私は某スーパーで精肉部門責任者歴30年のお肉のプロです。スーパーには毎日沢山のお客様が来店され色々なお肉の質問を受けます。「えッ、こんな疑問があるのか!」と気づかされることが多いです。お肉の疑問を解決して、「おいしいお肉」を食べてほしい!そんな思いから「お肉の基礎知識」などをブログで発信しています。少しでも、あなたのお役に立てたなら嬉しいです!