豚肉ブロック 切り方

【はじめてのローストポーク】ももブロックの正しい切り方をお肉のプロが解説

最近、人気上昇中の、ローストポーク。

ネットでいろいろなレシピも紹介されていますよね。

一度は挑戦してみようかな~
と思っている人も多いのではないでしょうか?

でも、豚肉に詳しくないし、

・ローストポークには豚肉のどの部位をつかえばいいの?
・どの部位が一番おいしくできるの?
・私でもうまくできるかな?

「はじめて作る」となると、こんな疑問や不安があるのではないでしょうか?

それは、あなただけじゃなく誰にも「はじめて」はあります!

「はじめて」ローストポークに挑戦するなら、価格も一番安い「もも肉」がおすすめ。出費も少なく済みます。出費が少なければ、ローストポーク挑戦の壁も少し低くなりますよね。

でも、どうせ作るなら、「やわらかくて」おいしいローストポークを食べたいですよね?

お肉のプロが、ローストポークに使う「豚もも肉ブロック」が「やわらかくなる正しい切り方」をご紹介します。

この記事は、次のような流れでご紹介します。
①ローストポークとはどんな料理なのか?
②今回ローストポークに使用するもも肉がどこにある部位なのか?特徴など。
③もも肉を柔らかくするための「繊維方向の見分け方」と正しい切り方
④豚肉をつかうローストポークが半生が危険な理由と対処法
⑤ローストポークを切らずに生焼けかどうかを見分ける方法
⑥ローストポークを切らずに見分けるための料理用温度計の紹介
こんな順番でごしょうかいします!

ローストポーク作りが「はじめて」のあなたには、
ローストポークとはどんな料理なのか?
のご紹介からです。

では、はじめます!

ローストポークとは?

豚のブロック肉を、オーブンなどで火を通した料理。

発祥は、ドイツ南部、オーストラリアなどといわれています。

内部に赤みが残るローストビーフとは違い、中心まで完全に火を通さなけらばならない料理。

ローストポークレシピで、とても参考になります!
【シェフ直伝】ローストポークレシピ

では、ローストポークに使う「もも肉」とはどんな部位なのか?
をご紹介します。

ローストポークにつかう豚もも肉はどんな部位?


今回ご紹介する「もも肉」は、お尻付近の部位。

もも肉の特徴

豚肉は、部位の場所によって「やわらかさ」「味」が全く違います。

もも肉は、よく動かす運動量の多い部分で、筋肉が締まっていて「硬め」の肉質。脂肪が少なく、殆どが赤身のお肉でヘルシーな部位。赤身肉なのでカロリーも低めです。

味は、さっぱり系。薄切りにすると、柔らかく、赤身特有の「旨味」がある部分。

もも肉は、「そともも」「しんたま」「うちもも」の3つに小分けすることができます。

今回ご紹介するのは、もも肉の中で一番のやわらかい「うちもも」です。

早速、もも肉が柔らかくなる正しい切り方をご紹介します。

と言いたいところなんですが・・・

その前に、お肉の「やわらかさ」を左右する「お肉の繊維の見分け方」についてお話させてください。

非常に大事なことなので、集中して聞いてくださいね!

 

お肉には豚肉に限らず、牛肉でも鶏肉でも繊維があります。

お肉の繊維は、非常い丈夫で、加熱しても口に残ってしまいます。これが、「硬さ」を感じる原因です。

「硬いな」と感じるのは繊維方向の見分けを間違えて切っていることも原因のひとつ。

お肉を柔らかくする正しい切り方は、

繊維に対して垂直に包丁をいれ筋目を短く切る

ことで柔らかくなります。

お肉を柔らかくする正しい切り方は、

繊維に対して垂直に包丁をいれ筋目を短く切る

ことで柔らかくなります。

非常に大事なので、2度言わせていただきました。

では、今回ご紹介する内ももの繊維はどうなっているのか?

うちももの繊維

うちももの繊維は矢印方向に長く伸びています。

お肉を柔らかくする正しい切り方は、長く伸びている繊維を短く切る


この繊維(溝みたいにみえる線)に対して、
垂直に包丁をいれ筋目を短く切ること
お肉が柔らかくなります。

逆に、繊維(溝)と並行に包丁を入れると、繊維が長いまま残ってしまいます。

長いままだと、繊維が口に残って、「硬さ」の原因になるので、切る時には十分、繊維方向に気を付けて切ることが大事。

お肉の繊維方向の見分け方と、正しい切り方ができるようになると、ブロック肉で作る料理が、柔らかく、おいしく」になります。是非、この機会に覚えておくといいですよ。

では実際に、スーパーの売り場にならんでいる、ももブロックを例に、「繊維方向の見分け方」と「やわらかくなる正しい切り方」をご紹介します。

うちももの繊維方向の見分け方

うちももを4つに小分けしたものが下です。

うちももブロックは、こんな形で売られています。

ところで、内ももの繊維の方向わかりますか?

目を凝らしてよく見ると、左右方向に溝のような線があります。

わかるでしょうか?

矢印方向に繊維が伸びています。

うちももがやわらかくなる正しい切り方

お肉をやわらかくする正しい切り方は、
繊維(溝)に対して、
垂直に包丁をいれ筋目を短く切ることでしたね。

ももブロック肉をやわらかくする正しい切り方は、


うちももの繊維方向に対して、


繊維に対して直角に包丁を入れ繊維を短く切ること
で柔らかくなります。

画像の切り方は、一口カツにする時の厚さですが、

ローストポークに切る時は、幅をもっと狭くするだけです。
やわらかくなる正しい切り方の基本は同じです。

どうしても繊維方向の見分け方がわからない時は、お肉の両端をもち、左右に引っ張って
元の長さよりも伸びにくい方が繊維の向きになります。参考にしてください。

ここまでは大丈夫でしょうか?

 

出来上がったローストポーク。切ってみると中がピンク色。
・ローストポークの中がピンク色は食べても大丈夫なの?
・生焼けじゃないの?
・見分け方は?

こんな時、あなたはどうやって見分けますか?

お肉を、生食できるものは、
・牛肉
・馬肉
などがあります。

豚肉は、生食できません。

あなたも知ってますよね?

生食できないのは知っているものの、

何故なのか、ご存知でしょうか?

豚肉を生食できない理由とは?

ローストポークを食べる時の心配が、「火が中まで通っているのか?」「生焼けなのか?」ということ。

牛肉をつかうローストビーフは、完全に中まで火を通す必要のない料理。

でも、豚肉で作るローストポークは、完全に中まで火が通ってなくてはいけません。

豚肉を生食できない理由

豚肉を生食できない理由は、豚肉には「寄生虫」がいるから

豚肉には、
・トキソプラズマ
・トリヒナ
・回虫などの寄生虫がいます。

現在では出荷する過程で、食用に適するかどうかを、獣医師が全頭検査しています。

なので、豚肉を食べて寄生虫で食中毒になったということは殆ど報告されていません。

トキソプラズマやトリヒナは、現在は、殆ど検出されないといいますが、トキソプラズマが妊婦に感染すると、異常産になることがあるので特に注意が必要です。

しかし、回虫は現在も報告例が少なからずあります。
・免疫力の低い子供
・免疫力が低くなったお年寄り
は感染リスクがあるので注意が必要です。

豚肉で食中毒を防止する方法は?

豚肉の寄生虫は一般的に、
・加熱することで死滅させることができます。その温度は、60度以上。
・寄生虫は冷凍されたお肉の中では生き延びれない
といわれています。

食中毒を起こす原因には、2通りあります。

一つ目が、「寄生虫が原因になるもの」。

そして、「細菌感染がひきおこすもの」があります。

O157などの細菌感染での食中毒リスクでいうなら、豚肉に限らず、牛肉、鶏肉でも同じように食中毒のリスクはあります。

どうしたら食中毒にならずに済むのか?

豚肉の中にいる「寄生虫」は、60度以上の加熱で死滅させることができます。

「O157」などの細菌も、「寄生虫」と同じで、加熱によって死滅させることができます。

一覧表にまとめてみました。

寄生虫 60度以上で1分間以上の過熱が必要
O157 75度で1分間以上の過熱が必要
サルモネラ菌 75度で1分間以上の過熱が必要
病原性大腸菌 75度で1分間以上の過熱が必要
腸炎ビブリオ菌 75度で1分間以上の過熱が必要
ノロウイルス 85度で1分間以上の過熱が必要
ボツリヌス菌 100度の過熱でも死滅しない

食中毒をひきおこすその他の細菌は、「63度で30分以上の過熱が必要」といわれています。

いずれにせよ、調理する時の衛生管理に気をつけることが最も大事です。

 

ローストポークの生焼けの見分け方

ローストポークは、高い温度で加熱するとパサパサになります。

パサついた状態のローストポークは、美味しくないです。

理想のローストポークの色は「ピンク色」。

でも、豚ブロックがピンク色って・・・・やっぱり、心配ですよね。

そこで、ローストポークが生焼けかどうか「切らずに判断する方法」を2つご紹介します。

 

竹串で刺してみる

一番簡単な方法は、
ローストポークの最も身の厚い部分に竹串を刺して確かめる方法

竹串を抜いた部分から、透明な肉汁がでてきたら、中まで火が通っています

赤っぽい肉汁は、まだ、加熱が必要のサイン。もう少し加熱してください。

料理用の温度計をつかう

竹串で確かめても、どっちか判断が難しいと感じることもありますのね。

そんな時は、料理用の温度計を使って確かめる方法があります。

豚ブロックに直接さして、中の温度を、「正確」に目で見ることができます。

肉に刺して、推奨温度に達しているかどうかが「正確」にわかります。

竹串を刺して肉汁の色を見分けるよりも、はるかに簡単で、「数字」で「正確」に見ることができるので安心ですよね。

加熱温度や調理環境にもよりますが、火からおろした肉は「余熱」で中の温度が少しあがります。

仕上がりのお肉の中の温度が、65度以上であれば大丈夫です。

完全に中まで、火が通っています!

 

ローストポークを切らずに生焼けを見分けるおすすめの料理用温度計

料理で温度管理が必要な時に役立つ「料理用温度計」。

揚げ物や分厚いお肉の火の通り具合の温度管理がしっかりできると、「料理の出来栄えも」、「味」もよくなります。

「タニタ」、「ドリテック」などが、スティックタイプや赤外線タイプの料理用温度計を販売しています。

料理用温度計を「どこのメーカー」の「どの料理用温度計」を購入するか迷っている人は参考にしてください。

今回は、ローストポークなどの分厚いお肉の中心温度を測るのに最適な料理用温度計をご紹介します。

スティックタイプの料理用温度計

厚みのあるお肉の中心温度を測るのには「スティックタイプ」の温度計が便利。

スティックタイプの温度計は、尖った先の部分を直接にお肉に刺して図るタイプ。

持ち手の部分に温度が表示される窓や電源、表示切替などのボタンがあります。厚いお肉の中心温度を測るのに最もポピュラーな温度計です。

難点なのは、「測定時間が長いこと」。お肉に刺して、10秒位かかるものもあります。なので、スティックタイプは、スピードを重視する料理には不向きです。購入の際には「測定にかかる時間」も忘れずにチェックしてくださいね。

 

アマゾンで人気の、1000円以内で買えるスティックタイプの料理用温度計をご紹介します。

ThermoProサーモプロ 料理温度計 

価格・・・999円

機能・・・

  • 【速読 & 高精度】クッキング温度計のステンレス製の検温部を油やお湯など測りたい料理につけると4-6秒だけで温度を表示します。調理温度計の測定可能範囲は-50℃~+300℃、精度は ±0.5°Cです(*温度範囲:0 ~ 100°C)

  • 【長いプローブ&キャップ付き】13.6cmの長いプローブで測定中しても安全で、手を焼くの心配をなくします。保管できるキャップと吊り下げられるフック付きで便利な収納を可能になります。

  • 【ホールド&LCDバックライト機能付き】 料理温度計のプローブを食品の中に取り外した時に、ホールド機能でディスプレイに表示中の温度表示をロック出来ます。バックライト付きディスプレイにより、暗所でも、温度表示を読み取ることができます 。

  • 【こんな料理におすすめ】キッチン温度計は天ぷらやフライなどの油の温度管理やパン作り、コーヒーや赤ちゃんのミルク、お茶、チョコレートの湯煎、野菜の50℃洗いなど幅広い料理に対応できます。先が尖っているため、お肉に刺して中の温度も測定可能。お肉の焼き加減や食中毒予防としてもおすすめです。

BOMATA 温度計

価格・・・999円

機能・・・

  • 【速読3~6秒,広い測温範囲】変径プローブを使用、さらに細いプローブの先端、普通の太いプローブと比べて伝導スピードが早く、読み取り時間は僅か3-6秒です。測定温度範囲: -50~300度、最小表示: 0.1度、精度は±1°C (0˚C~150˚C) 、±2˚Cその他の範囲。

  • 【防水IPX6、丸洗い】台所で食材に使用するものですから水、粉、油汚れは避けられません。防水で全体洗えるのは商品の優れたところの一つです。汚れた場合、検温部分も液晶部分も含めて全体的に水で洗えます。お手入れ簡単でいつでも清潔、とても便利な温度計です。

  • 【大画面、長いプローブ】同値段の温度計はいつも表示画面が小さすぎて、文字と目盛りが読みにくいです。本製品:大画面表示サイズ:長さ28 *幅11mm、数字を読み易くて。304食品用ステンレス製プローブの長さは12.6cm。フック穴付き、フック穴でぶら下げて収納可能。

  • 【ホールド機能、オートオフ】安全に測定、対象物から離したい時はHOLDボタンを押すことで測定値を固定させて表示することができます。オートオフ:10分自動電源オフ機能。

  • 【90日間返品返金、1年保証】お買い上げ日から90日間に返品返金保証があります。出荷する前に厳格な品質管理を行いますが、万が一届いた製品について何か問題或いはご期待と外れた場合、返金・無償交換など全力でご対応させていただきます。連絡方法:「アカウントサービス」→「注文履歴」→「販売元」→「質問する」、通常は12時間以内で速やかに処理します。

 

はじめてのローストポークももブロックの正しい切り方まとめ

はじめてローストポークをつくるあなたに、今回この記事でご紹介したかったことは、
・ローストポークに使ううちももの繊維方向の見分け方
・うちももが柔らかくなる正しい切り方
でした。

ブロック肉をやわらかくするには、繊維方向の見分け方が非常に大事。そして、「お肉をやわらかくする正しい切り方」は、

繊維に対して垂直に包丁をいれ筋目を短く切る

ことで、とても、やわらかくなることをご紹介しました。

そして、ローストポーク料理で心配事といえば、「生焼けかどうかの見分け方」。

生焼けが心配なのは、豚肉が生食できないからです。

しかし、豚肉を生食できない理由を知っている人は少ないですよね。

・豚肉は生食できない理由
・食中毒にならないための方法
・料理用温度計のご紹介
を順番にご紹介しました。

 

今回は、ローストポークにつかう「うちももの繊維方向の見分けかた」と「やわらかくなる正しい切り方」などをご紹介しましたが、

解説は、十分でしたか?

「とても、解りやすかった!」

「まあ、まあ大体解ったよ!」

「ん~、いまいち理解できてないかも?」

などなど色々でしょうが、少しでも参考にしてもらえたら嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございます!

 

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はじめまして。私は某スーパーで精肉部門責任者歴30年のお肉のプロです。スーパーには毎日沢山のお客様が来店され色々なお肉の質問を受けます。「えッ、こんな疑問があるのか!」と気づかされることが多いです。お肉の疑問を解決して、「おいしいお肉」を食べてほしい!そんな思いから「お肉の基礎知識」などをブログで発信しています。少しでも、あなたのお役に立てたなら嬉しいです!