豚肉料理

【とんかつ肉おすすめの部位】ヒレ肉の特徴と選び方をお肉のプロが解説

ジューシーな旨味が人気の「とんかつ」

「とんかつ」をつくる時に悩むのが、豚肉のどの部位にするか?
ではないでしょうか。

 

この記事は、以下のような人におすすめ!

・おいしくてやわらかいとんかつ部位を知りたい
・その部位の特徴を知りたい
・やわらかくなる方法を知りたい

その疑問にお肉のプロがお答えします。

今回は、わたしが、独断と偏見?で特におすすめする「ヒレ肉」
・特徴と選び方
・やわらかくなる切り方
をご紹介します。

この記事では、
・とんかつにおすすめのヒレ肉の特徴と選び方
・ヒレ肉がやわらかくなるおすすめの切り方
・ヒレ肉以外のとんかつにおすすめの部位の特徴
をご紹介します。

この記事を読むことで、

・とんかつに使う部位の特徴と選び方がわかります

・とんかつに最適な部位を選ぶことができるようになります。

・最適な部位を選べるようになることで、お店で食べるような、「おいしいとんかつ」を食べることができるようになります。

 

では、はじめます!

とんかつにおすすめのヒレ肉の特徴

お肉の部位は、一般的に運動量の違いで「柔らかい肉質」になったり「硬い肉質」になります。

運動量が少ない⇒肉質はやわらかい
運動量が多い⇒肉質は硬め
になります。

ヒレ肉は、体の中心部にある部位で、運動量がとても少ない部位。
運動量が少ないことで、とてもやわらかい肉質です。

豚肉の部位の中では一番柔らかい部位

その上、ビタミンB1やタンパク質、ミネラルなどエネルギー代謝に必要不可欠な栄養素も豊富に含まれています。

ヒレ肉は、豚肉1頭からわずか1㎏位しかとれないとても希少な部位

赤身肉で、やわらかく、ヘルシーの事もあり人気の部位なので、お値段も豚肉の中では一番高い部位です。

ヒレ肉の最大の特徴は、脂肪分がとても少ない赤身肉なのに、キメが細かく、水分も適度にあり、ジューシーな旨味と食感を楽しむことができる部位です。

ヒレ肉は、ロースなどの脂の多い部位に比べ、ヘルシーで、あっさりしているので、脂身の苦手な方にはおすすめの部位です。

ヒレ肉は、とんかつ用のとしても大変人気がある部位です。

それでは、ヒレ肉のとんかつ用の切り方を、2通りご紹介します。

ヒレ肉のとんかつ用のおすすめの切り方①

スーパーでは、通常、ヒレ肉はブロックで並んでいることが殆どなので、とんかつにしたい時は、自分で切らなければなりません。

ヒレ肉のとんかつ用の切り方の1つ目はこうです。

ヒレ肉のとんかつ用の通常の切り方は、ヒレ肉の繊維を短くする切り方。
繊維を短くきることで、お肉がやわらかくなります。

なぜ、繊維を短くすることで柔らかくなるのか?は下の記事を参考にしてください。

https://jiyuujitugenblog.com/%e5%a4%b1%e6%95%97%e3%81%97%e3%81%aa%e3%81%84%e8%b1%9a%e3%83%90%e3%83%a9%e8%82%89%e3%83%96%e3%83%ad%e3%83%83%e3%82%af%e3%81%ae%e5%88%87%e3%82%8a%e6%96%b9%ef%bd%9c%e3%81%8

この切り方は、ヒレ肉の繊維を短くきることで、「やわらかさ」を最大限に引き出すことができます。

 

実際に、スーパーなどの売り場のヒレ肉以外のとんかつ用のお肉も、柔らかくなるように繊維を短く切っています。

ヒレ肉は、豚肉の部位の中では一番やわらかいので、歯ごたえのある食感を好む方には不向きな部位になるかもしれません。

「少し歯ごたえがあり」、「柔らかいとんかつ」がヒレ肉を食べたいという方には、次にご紹介する切り方の方があっているかもしれません。

ヒレ肉のとんかつ用のおすすめの切り方②

ヒレ肉の通常の切り方は、繊維を短くする切り方です。

しかし、通常の切り方では柔らかすぎて物足りないという方のために、少し、歯ごたえを出す切り方をご紹介します。

まず、画像からご覧ください。

まずは、
・長いヒレ肉を3〜4等分に切ります。
・切ったヒレ肉を縦に3〜4等分にきります。

このように切ることで、ヒレ肉の繊維が、通常の切り方より長くなります。

ヒレ肉の繊維が長くなるように切ることで、通常の切り方に比べ、少し「歯ごたえのある」「とんかつ」になります。

一度、お試しください。

とんかつにおすすめのロースの特徴

ロース肉は、豚の胸から背中部分の部位。

赤身と脂身が適度に入っていて、キメも細かく柔らかい部位です。

ロースの表面の脂には、旨味と風味があり、ヒレ肉と並んで、豚肉の中では高級な部位です。

ロースについている脂は、「背脂」と呼ばれていて、とても上質な脂身です。
今では、女性にも人気の背脂チャッチャ系ラーメンにも使われていますよね。

とんかつ用におすすめのロース肉の選び方

ロース肉は、部位の中でも、脂身の多い「リブ部分」と「ロイン部分」があります。

わたしがおすすめするのは、「リブ部分」。

リブ部分は、ロイン側に比べ、脂身の割合が多く、ロイン部分より柔らかいのが特徴です。

ロイン側は、もも肉に近いこともあり、リブ側に比べ赤身の割合が多い部分です。

食感は、ロースともも肉の中間位の柔らかさで、脂身が苦手な方にはおすすめの部分です。同じ1本のロースでも、「リブ側」と「ロイン側」では柔らかさや旨味に違いがあります。

ロース肉をとんかつに選ぶ時には、脂身が多いほうがいいのか、赤身肉が多い方がいいのかを考えて選択するようにしましょう。

ロースは、やわらかい人気の部位ですが、下処理をすることで、もっと柔らかくなります。

柔らかくなる下処理とは、「筋切り」です。

柔らかくなるロースのおすすめの「筋切り」とは?

柔らかいとんかつに仕上げるためには、揚げる前の下処理「筋切り」が重要です。

柔らかくするための、「筋切り」をしておくだけで仕上った時の「見栄え」「食感」が変わってきますので、面倒ですがやっておくことをおすすめします。

なぜ筋切りは必要なの?

お肉は加熱すると、反り返ります。

反り返りの原因は、お肉を加熱することで、タンパク質が変性して、縮んでしまうためです。

反り返ると、熱が均等に入りませし、見栄えもよくありませんよね。
それを解消するのが、「筋切り」。

筋切りすることで、
・反り返りが小さくなる
・熱が均一に入りやすくなる
・見栄えがよくなる
などの効果があります。

お肉を加熱した時に、反り返ってしまうのは、収縮率に差があるためです。

しかし、調理前に、赤身と脂身の境目を「筋切り」をすることで、反り返りを小さくすることができます。

この時に注意することは、
・包丁の刃先をつかい、切り込みが必要以上に長く入らないようすること
・筋切りをすると、筋切りをした部分のお肉が伸びてしまうので、最後に形を整えること
に気をつけましょう。

では、ロースの筋切りは、どうやるのか?
をご紹介します。

ロースがやわらかくなるおすすめの筋切のやり方

これは、ロース肉「リブ側」です。

お肉の収縮率は、赤身と脂身でちがいます。

お肉を加熱した時に、反り返らないように、ロースの脂身と赤身の間に切り込みをいれて「筋切り」します。

この下処理をすることで、
・反り返りが小さくなる
・熱が均一に入りやすくなる
・見栄えがよくなる
などの効果があるります。

面倒ですが、このひと手間で「おいしいとんかつ」になります。

ロースをさらに柔らかくするおすすめの方法

ロースとんかつを、より柔らかくするためには、もうひと手間必要です。

赤身と脂身の部分は、筋切りで柔らかくなります。

しかし、その他の部分もやわらかい方がおいしいですよね。

やり方は、包丁の先端部分を使い、とんかつのお肉の面に対して、斜め45度くらいの角度でブスブスと数回刺してください

斜めに刺すことで、ロースの繊維が短く切れ、柔らかくなります。

一度、お試しください。

なぜ、繊維を短く切るとやわらかくなるのか?

こちらの記事で紹介しています。

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とんかつ用として、ロース肉と並んで人気の部位といえば、「肩ロース肉」と「ヒレ肉」。

それぞれの、特徴をご紹介します。

とんかつにおすすめの肩ロースの特徴


肩ロースは、豚肉の首から背中部分のお肉。
脂身と赤身のバランスがとてもいい部位です。

肩ロースは、1本の部位の中でも、柔らかい部分(ロース側)と硬めの部分(ネック側)があるので、とんかつにする場合は、部分選びが重要になってきます。

わたしがおすすめする部分は、

ロース側のやわらかい部分です。

断面は、


〇で囲んだ部分は、牛肉でいう希少部位「ザブトン」がある部分。
ザブトンを含む部分は特におすすめです。

ザブトン部分は、味も濃厚で旨味たっぷりの部分なので、「とんかつ」にはとても最適です。

しかし、とんかつに選んではいけない部分があります。
それがネック側。

肉質も硬く、とんかつなどの厚切りで使う料理には不向きなので選ばないようにしてください。

断面は、こんな感じのお肉です。


筋も粗く硬めの肉質なので、とんかつ向きではありません。

とんかつ用の肩ロースを購入する時には、上の画像を参考に選んでくださいね。

とんかつ用のおすすめの部位まとめ

おいしいとんかつを食べたいのであれば、部位選びは大事なポイント。

今回ご紹介したヒレ肉は、ロース肉と並んで、とんかつ用としては外すことが出来ない人気部位です。

ヒレ肉は、赤み肉なので、カロリーも低いです。

一般的に、赤身肉は「硬い」というイメージですが、ヒレ肉は赤身なのにとても柔らかいのが特徴の部位。

しかし、切り方によっては、ちょっと歯ごたえを出すことも出来ます。

今回は、「やわらかくなる切り方」「ちょっと歯ごたえを出す切り方」2通りの方法をご紹介しました。

どちらの切り方にするかは、あなたの好みで選択してください。

この記事が、あなたのお役に立てたなら嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

ABOUT ME
kazu
はじめまして。私は某スーパーで精肉部門責任者歴30年のお肉のプロです。スーパーには毎日沢山のお客様が来店され色々なお肉の質問を受けます。「えッ、こんな疑問があるのか!」と気づかされることが多いです。お肉の疑問を解決して、「おいしいお肉」を食べてほしい!そんな思いから「お肉の基礎知識」などをブログで発信しています。少しでも、あなたのお役に立てたなら嬉しいです!