豚肉ブロック 切り方

【豚やわらか蒸し】部位を知れば失敗しない|バラと肩ロースの違いとは?

豚やわらか蒸し

人気料理なので、「チャレンジした」とか、「一度は挑戦したい」という人も多いのではないでしょうか?

豚のやわらか蒸しには、豚バラブロックと肩ロースブロックを使うレシピが多いですよね。

豚肉は、部位によって、味も食感もちがいます。使う部位によっては、「想像していた味と違った」ということにもなりかねません。折角、時間をかけた料理が台無しという事態はさけたいですよね?

「豚やわらか蒸しに使う豚肉の部位」、どっちを使えばいいの?

そんなあなたの疑問に、お肉のプロがお答えします!

豚やわらか蒸しに使う豚肉の部位、バラ肉と肩ロースの特徴と、やわらかくなる正しい切り方をご紹介します。2つの部位の違いを知ることで、あなた好みの豚やわらか蒸しが、きっと、作れるはずです!

では、はじめます!

 

あなたはバラ派?肩ロース派

バラ肉は脂身が豊富で、ジューシーな味わいの部位。

肩ロースは、柔らかさと噛み応えの両方が味わえる部位。

あなたは、バラ肉、肩ロースのどちらが好みでしょうか?

2つの部位の特徴をご紹介します。特徴を理解したら、ご自分がバラ派なのか、肩ロース派なのかがきっとわかります。参考にしてください。

まずは、バラ肉の特徴からご紹介します。

 

豚バラ肉の特徴

豚バラ肉は、※きめ※は粗いですが赤身と脂身が3層になっていて柔らかい肉質の部位。

脂身と赤身が三層に重なっている形状から三枚肉ともいわれています。

※※きめとは何か?

きめは、骨格筋を線維の方向に対して直角に切ったときの切り口で、筋束同士がくっついている様子のこと。「きめが細かい」というのは、個々の筋束の直径が小さいことを示している。筋束が細いと筋線維を束ねている筋膜も薄く、物理的強度が小さいため加熱調理した肉もやわらかい。同じ種類の肉で同じ部位で比較した場合は、きめが細かいほど肉質がやわらかく、高品質とされる。一般的に運動量が多い、あるいは強い力を出す筋肉はきめが粗い。日本食肉消費総合センター

 

きめが細かい=肉質はやわらかい
きめが粗い=硬めの肉質

バラ肉が豚やわらか蒸しに使われる理由

バラ肉は、脂身と赤身の3層構造が特徴の部位。この三層構造は、他の部位には無く、バラ肉特有の濃厚でジューシーな旨味をつくりだしています。

バラ肉が、豚やわらか蒸し向きな部位として人気の理由は、
・バラ肉の脂身には適度な甘さがある
・赤身部分は色が濃ければ濃いほどしっかりとしたお肉の食感旨味がある
豊富な脂身適度に入った赤身のバランスがとても良い
からだと思います。

肩ロースの特徴

画像左の部分。肩ロースの頭(ロースと繋がっている部分)は、キメも細かくやわらかい。
ロースから遠くなるにつれて肉質はかたくなっていきます。

下の2つの画像は、柔らかい肩ロースの頭(ロースに近い)部分。

中央にある芯の部分(まるく囲んだ部分)は牛肉でいう
希少部位ザブトンがあり豚肉の部位の中でも特に濃厚な味が特徴の部分。

残りネック部分はキメが粗く、やや硬めの肉質のため、厚切りでつかう料理には不向き。

肩ロースが豚やわらか蒸しにつかわれる理由

豚やわらか蒸し向きの部位として、肩ロースが人気の理由に、
・柔らかい部分が多い
・濃厚な旨味としっかりとした2つの違う食感がある
・豚やわらか蒸しにあう適度な大きさである
ということではないでしょうか。

 

できあがった豚やわらか蒸しの正しい切り方

買ってきた豚肉ブロックで豚やわらか蒸しが出来上がりました。

でも、切る前に、ちょっと、待ってください!

折角、好みの部位で、好みの味に仕上げた豚やわらか蒸し。

最後の仕上げで失敗する人が多い!

切り方には気を付けてください!

過去に、豚やわらか蒸しと同じようにバラ肉や肩ロースで作ったことありますよね?

その時、「おもっていたより硬いな」と感じた事ありませんか?

それは、間違った切り方をしているのが原因かもしれません。

そこで、

豚やわらか蒸しがやわらかくなる、正しい切り方をご紹介します

 

豚やわらか蒸しがやわらかくなる、正しい切り方をご紹介する前に、
お肉の柔らかさを左右する、
「肉の繊維」について、今からお話しします。

非常に大事なことなので、真剣に聞いてくださいね!

肉の柔らかさを左右する繊維とは?

豚肉に限らず(牛肉でも鶏肉でも)お肉には繊維が長く伸びて入っています

当然、バラ肉にも、肩ロースにも繊維があります

お肉の繊維は、非常に丈夫で、加熱しても口に残ってしまいます。それが、「硬さ」の原因の一つ。

ブロック肉をやわらかくする正しい切り方は、繊維方向の見分け方がポイント。

そして、お肉をやわらかくする正しい切り方は、

長く伸びている繊維に包丁を垂直に入れ、短く切ることでやわらかくなる!

それでは、やわらかくなる正しい切り方を、バラ肉、肩ロースの順番にご紹介します。

バラ肉がやわらかくなる正しい切り方

非常に大事なことなので、もう一度、確認します。

「ブロック肉をやわらかくする正しい切り方繊維方向の見分け方がポイント」
でした。

ここで質問です。

豚バラブロックが柔らかくなる切り方
2つのうちどちらかわかりますか?



正解は下(2枚目の画像)です。

なぜ、2枚目の切り方が正しいのかを解説します。

ブロック肉をやわらかくする正しい切り方
筋目の方向の見極め
がポイントでしたよね。

 

豚バラ肉ブロックの繊維はこのような方向に長くのびています。

お肉をやわらかくするには、

長く伸びている繊維に包丁を垂直に入れ、短く切ることでやわらかくなる!

この矢印(繊維)が短くなるように包丁を垂直に入れることで、
お肉がやわらかくなります。

なので、2枚目の画像が正しい切り方です。

 

肩ロースの繊維の見分け方

これが、スーパーの肩ロースブロック。切りやすいように、長方形にカットされています。

肩ロースの繊維は、矢印方に左右に長くのびています。溝みたいな線が左右に伸びているのが分かるでしょうか?


これが肩ロースの繊維の方向です。

この繊維は、お肉の中に長く伸びた状態になっています。そして、「やわらかさ」や「硬さ」を左右します。

しかし、正しい切り方をすると、柔らかくなります。それでは、肩ロースの正しい切り方をご紹介します。

 

肩ロースがやわらかくなる正しい切り方

肩ロースを柔らかくする正しい切り方は、

繊維に対して垂直に包丁をいれ繊維を短く切る
ことで柔らかくなります。

 

柔らかくなる正しい包丁の入れ方は、左右に伸びている繊維を

繊維が短くなるように切る。

こんな感じで切ってください。

お肉をやわらかくする正しい切り方は、
繊維に対して垂直に包丁をいれ繊維を短く切る
ことだったので

上の写真のように切ることで「柔らかいお肉になります。

当然ですが、繊維に沿って包丁を入れてしまうと硬くなります。
天と地ほどの差がでますので気を付けてください。

この筋目の見方と、正しい切り方がわかると、「食べた時の食感」がやわらかいお肉になります。

 

豚やわらか蒸しに使う豚肉の部位まとめ

豚やわらか蒸しに使う豚肉部位、バラ肉と肩ロースの特徴とやわらかくなる正しい切り方をご紹介しました。理解は深まりましたか?

豚バラの特徴

豚バラ肉は、
・※きめ※は粗いですが赤身と脂身が3層になっていて柔らかい肉質の部位
・脂身と赤身が三層に重なっている形状から三枚肉ともいわれています。

肩ロースの特徴

肩ロースは、
・頭(ロースと繋がっている部分)は、キメも細かくやわらかい


・ロースから遠くなるにつれて肉質はかたくなる。

2つの部位の特徴は、うまく伝わったでしょうか?

 

やわらかくなる正しい切り方

バラも、肩ロースも繊維方向の見分け方と正しい切り方でやわらかくなる!事、理解できましたか?

大事なことなので、しつこく、いかせていただきます!

お肉をやわらかくするには、

「長く伸びている繊維に包丁を垂直に入れ、短く切ることでやわらかくなる!」

 

繊維方向の見分け方が分かると、バラや肩ロース以外の部位にも応用できます。そして、食感のやわらかい、おいしいお肉になります。是非、参考にしてください。

この記事は、あなたのお役に立てたでしょうか?

「参考になったよ!」という人が、一人でもいるなら、とても嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございます!

 

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はじめまして。私は某スーパーで精肉部門責任者歴30年のお肉のプロです。スーパーには毎日沢山のお客様が来店され色々なお肉の質問を受けます。「えッ、こんな疑問があるのか!」と気づかされることが多いです。お肉の疑問を解決して、「おいしいお肉」を食べてほしい!そんな思いから「お肉の基礎知識」などをブログで発信しています。少しでも、あなたのお役に立てたなら嬉しいです!