牛肉料理

【食中毒】牛肉の生焼けが原因かも?嘔吐をひきおこす5つの原因とは?

牛肉の生焼けを食べる後に、「嘔吐」したことありませんか?

それは、「生焼けが原因の食中毒」かもしれません。

牛肉は、レアでも食べれるとよく耳にしますが、、本当はどうなの?
・牛肉は生焼けでも大丈夫?
・生焼けは危険かも?
・嘔吐を引き起こす5つの原因

お肉の仕事歴30年以上の私がご紹介します。

では、はじめます!

牛肉はレアでも食べることができる

牛肉は飼育環境や牛肉本来の体質から、中心部には細菌をもっていません。

しかし、レバーやホルモンなどの消化器官には
・腸管出血性大腸菌O157
・カンピロバクター
などの「細菌」がいます。

レバーやホルモンなどの消化器官をの除く部位はレアでもたべることができるので、本来は生焼けでも問題ありません。

しかし、調理段階で、手や調理器具などについた細菌が肉の表面につくことがあります。

表面についた細菌が原因で感染し食中毒になると嘔吐などの症状をひきおこします。

嘔吐をひきおこす「細菌」とは?

牛肉の生焼けが原因で嘔吐が起きるのは、牛肉表面についた「細菌」が原因。

牛肉は、中心部は「無菌」です。

しかし、調理過程で、生肉に触れた「手」「包丁」「まな板」「トング」や「箸」などで焼けたお肉に触れることで、お肉の表面に「細菌」が付着します。

加熱が不十分で、細菌が死滅せず体にはいりこむと「食中毒リスク」が高くなります。

次のようなことに心当たりありませんか?
・加熱不足
・生肉に触れたトングや箸で焼けた肉をさわる
・生肉を切った包丁やまな板で焼けた肉を切る
・牛肉が元々傷んでいた(消費期限を過ぎていた)
・レバーやホルモンの加熱不足
などのケースは食中毒リスクが高くなります。

嘔吐を起こす原因①牛肉の加熱不足

牛肉には、レバーやホルモンなど消化器官以外の部位には食中毒を引き起こす細菌や寄生虫はいません。
ですが、加工する段階で表面に付着することがあります。

牛肉は、各部位に小分けするときに熱処理して真空パックされます。
この時点では、無菌状態です。

しかし、スーパーなどで、加工するために真空パックをといた時点から、「細菌」などのがつきはじめます。

そして、付着した最近は、時間の経過とともに牛肉の表面から徐々に中心部に入っていきます。

スーパーなど、お肉などの加工をする場合は、専用の手袋をつけて、菌の付着を最小限に抑えています。

でも、菌の付着を「0」にすることは不可能なんです。

なので、牛肉の表面だけは十分加熱して食べた方が安全です。

嘔吐をおこす原因②生肉に触れたトングや箸で焼けた肉をさわる

焼肉やステーキなどの表面には、細菌などがいる可能性があります。

焼肉やステーキを焼く場合は、「焼き専用のトングや箸」と、「食べる専用の箸」と区別して使い分けしましょう。

食べる箸をつかって、焼いたりひっくり返したりすると、使った箸に菌が付着し、食中毒になることがあります。

焼き専用のトングや箸食べる時につかう箸は区別することが安全につながります。

嘔吐をおこす原因③生肉を切った包丁やまな板で焼けた肉を切る

トングや箸と同様に、生肉を切った包丁やまな板で、焼けたお肉を同じ包丁、まな板で切らないようにしましょう。

生肉の表面には、調理過程で細菌が付着している可能性があります。
当然、生肉をのせたまな板や包丁には菌が付着している場合が多いです。

同じまな板と包丁を使うのであれば、洗剤などで綺麗に洗ってから使うと安全です。

嘔吐をおこす原因④牛肉が元々傷んでいた(消費期限を過ぎていた)

牛肉に限らず、食品は時間の経過とともに鮮度がおちていきます。

食品には、
・賞味期限
・消費期限
がありますが違いをご存知でしょうか?

賞味期限とは?

賞味期限とは、表示されている日付けまでは「おいしく食べれます」という期限のこと。

賞味期限が使われるのは、品質が悪くなりにくい食品につかわれます。

消費期限とは?

急速に品質が劣化する生鮮食品の表示につかわれます。

期限をこえると安全でなくなる可能性がある期間を表示しています。

牛肉は、生鮮食品なので「消費期限」で表示されています。
牛肉などの生鮮食品は、新鮮な状態の消費期限内に食べることが基本です。

しかし、期限内であっても、保存方法や取り扱い方で「鮮度」が急激に落ちて傷んでしまうことがあります。

すぐに食べない時には、早めに冷蔵庫に入れるなどして鮮度を落とさないようにしましょう。

傷んだものは、たとえ菌をもたない牛肉でも食中毒リスクがあります。
使わないようにしましょう。

嘔吐をおこす原因⑤レバーやホルモンの加熱不足

レバーやホルモンなどの消化器官には、
・カンピロバクター
・腸管出血性大腸菌O157
などの細菌がいます。

いずれの細菌も、75度以上で1分間以上の過熱で死滅します

レバーやホルモンの生焼けは危険です。
十分中まで加熱して食べるようにしてください。

 

しかし、気をつけていても細菌に感染してしまうことはあります。

牛肉のレバーやホルモンなどの消化器官にいる食中毒の原因菌、「腸管出血性大腸菌O157」と「カンピロバクター」はどんな細菌なのかを簡単にご紹介します。

腸管出血性大腸菌O157とは?

腸管出血性大腸菌O157は、ベロ毒素を作り出す大腸菌で、感染すると出血性の大腸炎をおこします。

症状

・健康な成人・・・無症状、下痢
・赤ちゃん・小児・・・頭痛、腹痛、下痢、出血性腸炎
・基礎疾患がある高齢者・・頭痛、腹痛、下痢、出血性腸炎
重症の場合は死亡することもあります。

潜伏期間

4〜8日。

予防のポイント

・調理前には石鹸で手を洗う
・生肉は十分加熱して中まで火を通す

カンピロバクター

カンピロバクターは、下痢をひきおこす4大原因菌ひとつ。

胃腸炎を最も多くひきおこす原因菌。

症状

・下痢、腹痛、発熱、頭痛、吐気、嘔吐
・症状は3〜6日続く
重症化すると死亡することもあります。

潜伏期間

2〜5日。

予防のポイント

・調理前には石鹸で手を洗う
・生肉は十分加熱して中まで火を通す

牛肉の生焼けが嘔吐をおこす原因まとめ

牛肉の中心部は無菌です。

よほどのことがない限り食中毒になることは少ないです。

この記事では、
・加熱不足
・生肉に触れたトングや箸で焼けた肉をさわる
・生肉を切った包丁やまな板で焼けた肉を切る
・元々傷んでいた
・レバーやホルモンの加熱不足
などの食中毒リスクが高くケースの対処法をご紹介しました。

牛肉の「生焼け」を好む人は、この記事で紹介した対処法を参考にしてください。

この記事を読んだあなたに参考になれば嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

関連記事

牛の半生は危険?牛肉を生焼けが大丈夫な理由をお肉のプロが解説牛肉は生焼けで食べても大丈夫なの?結論は、大丈夫な部位とダメな部位があります。牛肉はレバーやホルモンなどの消化器官以外は無菌。しかし、加工段階で表面に付着してしまうこともあります。食中毒リスクをなくすためには消化器官以外でも表面はしっかり加熱することが大事です。細菌の死滅温度もご紹介します。参考にしてください。...
食中毒からお年寄りを守る4原則|牛肉生焼けが危険な理由をお肉のプロが解説お年寄りでも、牛肉の生焼けは大丈夫なのか?についてご紹介します。牛肉の生焼けが大丈夫な場合と危険な時はどういった場面なのか?お年寄りが食中毒にならないための牛肉を食べる時の注意点と料理別の牛肉の焼き加減もご紹介します。参考にしてください。...
食中毒から子供を守る4原則|牛肉生焼けが危険な理由をお肉のプロが解説子供でも、牛肉の生焼けは大丈夫なのか?についてご紹介します。牛肉の生焼けが大丈夫な場合と危険な時はどういった場面なのか?子供が食中毒にならないための牛肉を食べる時の注意点と料理別の牛肉の焼き加減もご紹介します。参考にしてください。...
ハンバーグの半生は危険!牛100%でも危険な理由をお肉のプロが解説牛100%のハンバーグは、生焼けでも大丈夫なのか?答えは、大丈夫ではないです。生焼けは危険です。中心部までしっかり加熱しましょう。牛100%のハンバーグでも生焼けが危険な理由と生焼けにならない上手な焼き方をご紹介します。参考にしてください。...
牛肉の生焼けは大丈夫?生焼けで食べれる部位と食べてはダメな部位をお肉のプロが解説牛肉は生焼けでも大丈夫なのか?答えは、部位よってちがいます。牛肉は、レバーやホルモンなどの消化器官を除けば飼育環境と体質から本来は無菌です。レバーやホルモンなどの消化器官以外の部位は、表面をしっかり加熱すれば生焼けでも大丈夫です。しかし、レバーやホルモンなどの消化器官は中心部までしっかり加熱する必要があります。レバーやホルモンなどの消化器官を生焼けで食べると「食中毒リスク」がありますので気をつけてください。...
牛ステーキどれくらい焼けば大丈夫?生焼けとレアの違いをお肉のプロが解説牛ステーキを生焼けで食べて心配になったことありませんか?自宅で牛ステーキを焼く時、どれくらい焼けば大丈夫なのでしょうか?牛ステーキは生焼けでも大丈夫なのか?結論からいうと牛ステーキは生焼けで食べても大丈夫です。牛肉はステーキに限らず新鮮なものであれば生焼けで食べてもです。牛肉を生焼けで食べても大丈夫な理由をお肉のプロが解説します。そして、牛ステーキの焼き加減もご紹介しますので参考にしてください。...
妊娠中の牛肉の生焼けは大丈夫?食中毒にならないための注意点とは?妊娠中の体力作りには牛肉が一番。しかし、牛肉の生焼けは食中毒リスクがあります。この記事では、牛肉を生焼けで食べる時の注意する5か条をご紹介します。5か条を守ることで食中毒リスクを最小限になります。ぜひ参考にしてください。...
【食中毒】牛肉の生焼けが頭痛をおこす5つの原因と対処法とは?牛肉の生焼けを食べた後に頭痛がおきたことありませんか?それは生焼けの牛肉に付着している細菌が原因かもしれません。この記事では、生焼けの牛肉が頭痛を引き起こす原因と対処法をご紹介します。次回、生焼けの牛肉を食べる時の参考にしてください。...
牛肉を生焼けで食べても大丈夫?危険が潜む5つの食中毒リスクとは?「牛肉は、生食でも大丈夫!」 「だから、生焼けでも食べても大丈夫だよね。」 と思っている人結構多いのではないでしょうか。 ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ABOUT ME
kazu
はじめまして。私は某スーパーで精肉部門責任者歴30年のお肉のプロです。スーパーには毎日沢山のお客様が来店され色々なお肉の質問を受けます。「えッ、こんな疑問があるのか!」と気づかされることが多いです。お肉の疑問を解決して、「おいしいお肉」を食べてほしい!そんな思いから「お肉の基礎知識」などをブログで発信しています。少しでも、あなたのお役に立てたなら嬉しいです!