「牛肉は、生食でも大丈夫!」
「だから、生焼けでも食べても大丈夫だよね。」
と思っている人結構多いのではないでしょうか。
結論からいうと、「生焼けでも」大丈夫です。
でも、危険な場合もあります。
この記事では、お肉の仕事に30年以上かかわってきた肉のプロのが、
牛肉を生焼けで食べても大丈夫な場合と危険な場合をご紹介します
では、はじめます!
目次
牛肉は生焼けでも大丈夫?その理由とは?
牛肉や豚肉、鶏肉にも、食中毒リスクのある「細菌」や「寄生虫」がいます。
牛肉は、レバーやホルモンなどの消化器官を除く部位には細菌や寄生虫はいないとされています。
なので、レバーやホルモン以外であれば、生焼けでも大丈夫です。
でも、牛肉の生焼けが原因で食中毒になる場合もあります。
牛肉が原因の食中毒
牛肉が原因で食中毒をおこすことがある場合があります。
・加熱不足
・生肉に触れたトングや箸で焼けた肉をさわる
・生肉を切った包丁やまな板で焼けた肉を切る
・元々傷んでいた
・レバーやホルモンの加熱不足
などのケースで食中毒をおこす場合があります。
食中毒りすく①加熱不足
牛肉には、レバーやホルモンなど消化器官以外の部位には食中毒を引き起こす細菌や寄生虫はいません。
ですが、加工する段階で表面に付着することがあります。
牛肉は、各部位に小分けするときに加熱処理して真空パックされます。
この時点では、無菌状態です。
しかし、スーパーなどで、加工するために真空パックをといた時点から、「細菌」などのがつきはじめます。
そして、付着した最近は、時間の経過とともに牛肉の表面から徐々に中に入っていきます。
スーパーなど、お肉などの加工をする場合は、専用の手袋をつけて、菌の付着を最小限に抑えています。
でも、菌の付着を「0」にすることは不可能なんです。
なので、牛肉は表面だけは十分加熱して食べた方が安全です。
食中毒リスク②生肉に触れたトングや箸で焼けた肉をさわる
焼肉やステーキなどの表面には、細菌などがいる可能性があります。
焼肉やステーキを焼く場合は、「焼き専用のトングや箸」と、「食べる箸」と区別して使い分けしましょう。
食べる箸で、焼いたりひっくり返したりする時に付着した菌で、食中毒になることがあります。
くれぐれも、焼き専用のトングや箸と食べる時につかう箸は区別することが安全につながります。
食中毒リスク③生肉を切った包丁やまな板で焼けた肉を切る
トングや箸と同様に、生肉を切った包丁やまな板で、焼けたお肉を同じ包丁、まな板で切らないように注意しましょう。
生肉の表面には、細菌が付着している可能性があります。
当然、生肉をのせたまな板や包丁には菌が付着しているかもしれません。
同じまな板と包丁を使うのであれば、洗剤などで綺麗に洗ってから使うと安全です。
食中毒リスク④元々傷んでいた
牛肉に限らず、食品は時間の経過とともに鮮度がおちてきます。
食品には、
・賞味期限
・消費期限
がありますが違いをご存知でしょうか?
賞味期限とは?
賞味期限とは、表示されている日付けまでは「おいしく食べれます」という期限のこと。
賞味期限が使われるのは、品質が悪くなりにくい食品につかわれます。
消費期限とは?
急速に品質が劣化する生鮮食品の表示につかわれます。
期限をこえると安全でなくなる可能性がある期間を表示しています。
牛には、生鮮食品なので「消費期限」で表示されています。
しかし、期間内であっても、保存方法や取り扱い方で「鮮度」が急激に落ちて傷んでしまうことがあります。
傷んだものは、たとえ牛肉でもリスクがあります。
使わないようにしましょう。
食中毒リスク⑤レバーやホルモンの加熱不足
レバーやホルモンなどの消化器官には、
・カンピロバクター
・腸管出血性大腸菌O157
などの細菌がいます。
いずれの細菌も、75度以上で1分間以上の過熱で死滅します。
レバーやホルモンは、十分中まで加熱して食べるようにしてください。
しかし、気をつけていても細菌に感染してしまうことはあります。
カンピロバクターと腸管出血性大腸菌O157とはどんな細菌なのかを簡単にご紹介します。
腸管出血性大腸菌O157とは
腸管出血性大腸菌O157は、ベロ毒素を作り出す大腸菌で、感染すると出血性の大腸炎をおこします。
症状
・健康な成人・・・無症状、下痢
・赤ちゃん・小児・・・腹痛、下痢、出血性腸炎
・基礎疾患がある高齢者・・腹痛、下痢、出血性腸炎
重症の場合は死亡することもあります。
潜伏期間
4〜8日。
予防のポイント
・調理前には石鹸で手を洗う
・生肉は十分加熱して中まで火を通す
カンピロバクター
カンピロバクターは、下痢をひきおこす4大原因菌ひとつ。
胃腸炎を最も多くひきおこす原因菌。
症状
・下痢、腹痛、発熱、頭痛、吐気、嘔吐
・症状は3〜6日続く
重症化すると死亡することもあります。
潜伏期間
2〜5日。
予防のポイント
・調理前には石鹸で手を洗う
・生肉は十分加熱して中まで火を通す
牛肉の生焼けは大丈夫のまとめ
食中毒にならないためには、牛肉でも完全に中まで火を通す方が安心です。
特に、レバーやホルモンなどの消化器官は完全に火を通さないと「食中毒」になる危険があります。
レバーやホルモン以外の部位でも、お肉の表面には「見えない危険」、「細菌」が潜んでいるかもしれません。
焼きすぎの牛肉は、どうしてもおいしくないですよね。
しかし、食中毒になっては元も子もありません。
そいう私も、生焼け派ですが、安全を考えるとあまりおすすめしません。
どうしても、生焼けの牛肉が食べたいのであれば
・切りたての新鮮なものを買う
・まな板、包丁はきれいに除菌されたものをつかう
の2つのことは最低でもやることをおすすめします。
牛肉の生焼けくらいが、ジューシーさを味わえておいしいです。
しかし、食の安全を考えると牛肉の生焼けは食中毒リスクと隣りあわせ。
普段から、中まで十分加熱して食べている人にはこの記事は必要ないかもしれません。
でも、「牛肉は生焼けが一番」という人には少しは参考になったのではないでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
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