家庭でつくった「とんかつ」。
お店で食べるのと、何か違う。
と思ったことありませんか?
ちゃんと、手順通りにやったつもりでも、しっかり下処理できていないと、出来栄えに差が出るものです。
特にとんかつは、厚いお肉を使うので、お肉の「筋切り」の下処理はとても大切です。
この記事では、
・とんかつの下処理「筋切り」とは?
・ロースの特徴
・ロースの筋切りの仕方
・ロースをもっとやわらかくする方法
・とんかつの冷凍・解凍方法
をご紹介します。
では、はじめます!
目次
とんかつの下処理「筋切り」とは?
筋切りとは、脂身と赤身の間に切り込みを入れる下処理のこと。
筋切りをすることで、お肉が縮みや反り返りなどを抑えることができます。
筋切りが必要な理由
お肉は、加熱すると、縮んだり、反り返ったりしますよね。
これは、加熱することで豚肉のタンパク質が変性することでおきます。
お肉の収縮率は、脂身と赤身では違いがあります。
収縮率の違いで、縮んだり反り返ったりします。
縮んだり、反り返ってしまうのを防ぐために「筋切り」が必要なんです。
とんかつ用のお肉を「筋切り」することで、
・反り返りを抑える
・とんかつが縮むのを抑える
・出来上がりの形がきれい
・均一に熱が通りやすくなる
など、色々なメリットがあります。
筋切りのときの注意点
・包丁の刃先をつかい、切り込みが必要以上に長く入らないようすること
・筋切りをすると、筋切りをした部分のお肉が伸びてしまうので、最後に形を整えること
に気をつけましょう。
では、ロースの筋切りは、どのようにすればいいのか?
これからご紹介します。
ロース肉の特徴
ロース肉は、豚の胸から背中部分の部位。
赤身と脂身が適度に入っていて、キメも細かく柔らかい部位です。
ロースの表面の脂には、旨味と風味があり、ヒレ肉と並んで、豚肉の中では高級な部位です。
ロースについている脂は、「背脂」と呼ばれていて、とても上質な脂身です。
今では、女性にも人気の背脂チャッチャ系ラーメンにも使われていますよね。
豚カツ用ロース肉の選び方
ロース肉は、部位の中でも、脂身の多い「リブ部分」と「ロイン部分」があります。
リブ部分は、脂身の割合が少し多く、ロイン部分に比べ、少し柔らかいのが特徴です。
ロイン側は、もも肉に近い部分ということもあり、赤身の割合が多い部分です。
食感は、ロースともも肉の中間位の柔らかさで、脂身が苦手な方にはおすすめの部分です。同じ1本のロースでも、「リブ側」と「ロイン側」では柔らかさや旨味に違いがあります。
ロース肉をとんかつに選ぶ時には、脂身が多いほうがいいのか、赤身肉が多い方がいいのかを考えて買うようにしましょう。
ロースは、やわらかい人気の部位ですが、下処理をすることで、もっと柔らかくなります。
柔らかくなる下処理とは、「筋切り」です。
柔らかくなるロースの「筋切り」とは?
柔らかいとんかつに仕上げるためには、揚げる前の下処理「筋切り」が重要です。
柔らかくするための、「筋切り」をしておくだけで仕上った時の「見栄え」と「食感」が変わってきますので、面倒ですがやっておくことをおすすめします。
なぜ筋切りは必要なの?
お肉は加熱すると、反り返ります。
反り返りの原因は、お肉を加熱することで、タンパク質が変性して、縮んでしまうためです。
反り返ると、熱が均等に入りませし、見栄えもよくありませんよね。
それを解消するのが、「筋切り」。
筋切りすることで、
・反り返りが小さくなる
・熱が均一に入りやすくなる
・見栄えがよくなる
などの効果があります。
お肉を加熱した時に、反り返ってしまうのは、収縮率に差があるためです。
しかし、調理前に、赤身と脂身の境目を「筋切り」をすることで、反り返りを小さくすることができます。
この時に注意することは、
・包丁の刃先をつかい、切り込みが必要以上に長く入らないようすること
・筋切りをすると、筋切りをした部分のお肉が伸びてしまうので、最後に形を整えること
に気をつけましょう。
では、ロースの筋切りは、どうやるのか?
をご紹介します。
ロースの筋切のやり方
これは、ロース肉「リブ側」です。
お肉の収縮率は、赤身と脂身でちがいます。
お肉を加熱した時に、反り返らないように、ロースの脂身と赤身の間に切り込みをいれて「筋切り」します。
この下処理をすることで、
・反り返りが小さくなる
・熱が均一に入りやすくなる
・見栄えがよくなる
などの効果があるります。
面倒ですが、このひと手間で「おいしいとんかつ」になります。
ロースをさらに柔らかくするには
ロースとんかつを、より柔らかくするためには、もうひと手間必要です。
赤身と脂身の部分は、筋切りで柔らかくなります。
しかし、その他の部分もやわらかい方がおいしいですよね。
やり方は、包丁の先端部分を使い、とんかつのお肉の面に対して、斜め45度くらいの角度でブスブスと数回刺してください。
斜めに刺すことで、ロースの繊維が短く切れ、柔らかくなります。
一度、お試しください。
なぜ、繊維を短く切るとやわらかくなるのか?
こちらの記事で紹介しています。
とんかつは、「筋切り」をしたり、衣をつけたりと、作る手間のかかる料理ですよね。
それなら、多めに作って冷凍保存すると便利です。
とんかつの冷凍保存方法
とんかつの冷凍保存は、2通りあります。
1つ目は、とんかつに衣をつけて、「揚げる前に冷凍」する方法。
2つ目は、「揚げてから冷凍」する方法です。
とんかつ冷凍「揚げる前」と「揚げた後」の食感の違い
とんかつを「揚げる前」と「揚げた後」に冷凍した時の「食感」と「風味」の違いをご紹介します。
揚げる前の食感
揚げる前に冷凍したとんかつは、
・衣はサクサクとした食感
・下味もしっかり染み込んでいる
揚げた後に冷凍したとんかつは、
・衣はカリッとした食感
・香ばしさが増し、時間が経ってもおいしい
とんかつを揚げる前と後の冷凍方法の違い
とんかつを揚げる前に冷凍するのと、揚げた後に冷凍するのでは、やり方に違いがあります。
揚げる前に冷凍する方法
とんかつを揚げる前に冷凍する方法は、
①豚肉に味と衣をつけ、後は揚げるだけの状態にする。
②とんかつを一枚ずつラップする。
③とんかつがかさならないようにして、保存冷凍袋にいれて密閉する。
④金属性のバットにいれて急速冷凍する。
ポイント
・とんかつを1枚ずつラップして密閉することで、とんかつ用のお肉を乾燥から守り、解凍後もお肉のパサつきを防いでくれます。
・熱伝導のいい金属製のバットを使用することで急速冷凍が可能になり、急速冷凍することで、お肉からドリップ(旨味成分)がでるのを防ぐことができる。
揚げた後に冷凍する方法
とんかつを揚げた後に冷凍する時の大事な注意点があります。
それは、
揚げた後、とんかつの粗熱を完全にとった後に冷凍することです。
豚肉に、
・下味をつけ、衣をつけて揚げて、常温で冷ます
・とんかつの脂をきって、20〜30分常温で放置する
粗熱が取れた後は、揚げる前の方法と同じです。
②揚げとんかつを一枚ずつラップする。
③とんかつがかさならないようにして、保存冷凍袋にいれて密閉する。
④金属性のバットにいれて急速冷凍する。
冷凍したとんかつの解凍・料理の仕方
冷凍したとんかつの「解凍法」「調理法」をご紹介します。
揚げる前に冷凍したとんかつの解凍・調理方法
①低温の油(160度)に、凍ったままのとんかつをいれます。
②1枚は約8分、2枚だと約10分くらい、衣がきつね色になるまで揚げる。
③衣がきつね色になった後、さらに色がこくなるまで中火で1〜2分程度あげる。
ポイント
・低温でしっかり中心部まで火を通す
・最後に高温で揚げる
低温でしっかり中心部まで火を通す
冷凍したとんかつを、そのまま高温で揚げると、表面だけ焦げて、中心部は加熱不足になります。、
加熱不足は、食中毒などのリスクが高くなります。
揚げはじめは低温で、じっくり火を通すことで、ゆっくり中心部まで火が通ります。
揚げる前に冷凍したとんかつは、
低温〜最後に高温にすることがポイントです。
最後に高温で揚げる
揚げはじめは、低温。
最後に高温であげることで、冷凍しないで揚げた時の食感と遜色ない出来上がりになります。
最後は高温で揚げることで、衣はサクサク、肉はジューシーになります。
揚げた後に冷凍したとんかつの解凍・調理方法
①凍ったまま200度に温めたオーブントースターで約4分加熱。
②加熱後、衣がカリッとしてきたら、焦げ防止に、とんかつの上にアルミホイルをのせる
③8~10分くらい加熱して、とんかつの中心部まで温める
急ぐ場合は、耐熱皿にキッチンペーパーをしいて、その上に揚げたとんかつをのせて、電子レンジを500Wにセットして、とんかつ1枚につき約1分間加熱し半解凍します。
そのあとは、
①加熱後、衣がカリッとしてきたら、焦げ防止に、とんかつの上にアルミホイルをのせる
②8~10分くらい加熱して、とんかつの中心部まで温める
ポイント
揚げた後に冷凍したとんかつは、オーブントースターで解凍することで、
・「衣はカリッ」「香ばしさアップ」
・時間が経ってもベチャとならない
「とんかつの冷凍保存」、揚げる前、揚げた後の違いを一覧表にまとめました。
揚げる前に冷凍 | 揚げた後に冷凍 | |
解凍後の食感 | ・衣はサクサクとした食感 | ・衣はカリッとした食感 |
解凍後の風味 | ・下味もしっかり染み込んでいる | ・香ばしさが増し、時間が経ってもおいしい |
保存期間 | 約3週間 | 約1か月 |
解凍方法 | ①低温の油(160度)に、凍ったままのとんかつをいれます。 ②1枚は約8分、2枚だと約10分くらい、衣がきつね色になるまで揚げる。 ③衣がきつね色になった後、さらに色がこくなるまで中火で1〜2分程度あげる。 |
①凍ったまま200度に温めたオーブントースターで約4分加熱。 ②加熱後、衣がカリッとしてきたら、焦げ防止に、とんかつの上にアルミホイルをのせる ③8~10分くらい加熱して、とんかつの中心部まで温める |
最適な使い道 | ・揚げたてを食べたい時 ・夕食のメインに |
・少量ずつ使いたい時 ・お弁当のおかずに(お弁当用とんかつは、予め一口サイズで作っておくと便利です) |
とんかつは、
・筋切り
・衣をつける
など、手間のかかる料理。
一度の、多めに作って冷凍することで、「面倒くささ」を解消できます。
冷凍の仕方も、「揚げる前に冷凍」するのと「揚げた後に冷凍」するのとでは、食感と風味に違いがでます。
とんかつを冷凍保存する時の参考にしてください。
まとめ
とんかつは、厚目のお肉をつかいます。
厚目に切ったお肉は、
・噛み応えがでる
・加熱すると反りかえる
・均一に熱を通しにくい
などがあります。
それを予防するのが「筋切り」。
筋切りすることで、
・噛み応えがでる⇒やわらかくなる
・加熱すると反りかえる⇒反り返りを抑えられる
・均一に熱を通しにくい⇒縮まなくなり均一に火が入りやすくなる
などのメリットがあります。
そして、おススメしたいのが、
とんかつの冷凍保存。
毎回作るよりも一度に多めにつくることで、手間のかかる面倒な調理工程を解消できます。
冷凍の仕方も、「揚げる前に冷凍」するのと「揚げた後に冷凍」するのとでは、食感と風味に違いがでます。
あなたは、
どんな時に、とんかつを食べたいですか?
とんかつを食べるシーンを思い浮かべて、「揚げる前に冷凍」か「揚げた後に冷凍」どっちにするかを決めるようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!