痛風・健康

【痛風対策】牛肉9部位のプリン体含有量をお肉のプロが解説

風が吹いても痛いほどの痛風発作

歩くのもつらい痛風は、二度と経験したくないですよね。

私も6年前に痛風発作に襲われた一人で、あの時の痛みは二度と経験したくないです。

痛風発作はどうして起こるのか?

痛風の原因となるものとして有名なのが、ビールの飲みすぎによる「プリン体の摂りすぎ」もその一つ。

ビールはプリン体を多く含むため、毎日たくさん飲むと痛風リスクが高くなります。

そして、お酒以外にも痛風になる原因は、プリン体を多く含む食材をたくさん摂ることにあります。

痛風になるとお酒以外に、食べ物にも気を使いますよね。

普段食べている食材にはどのくらいのプリン体が含まれているのかご存知ですか?

この記事は、次の人におすすめです!
・食材に含まれるプリン体含有量を知りたい!
・プリン体含有量の多い食品を知りたい!

今回紹介する食材は、「牛肉です。

「痛風発作が心配で何を食べていいか」、迷っている方は参考にしてください。

では、はじめます!

牛肉部位のプリン体含有量

牛肉は高級食材なので、食卓にあがることも少ない食材ですよね。

牛肉のプリン体含有量は、肉類では豚肉と同じくらいです。

牛肉の主要部位のプリン体含有量をまとめてみました。

 

部位名 100gあたりのプリン体含有量
バラ 77.4mg
すね 106.4mg
ロース 74.2mg
肩ロース 90.2mg
タン 90.4mg
もも 98.4mg
心臓 185mg
ヒレ 98.4mg
レバー 219.8mg

 

牛肉部位、それぞれの特徴を簡単にご紹介します。

牛肉部位の特徴

スーパーなどの売り場に並んでいる牛肉の部位の特徴をご紹介します。

肩肉

肩肉は、牛の肩にあたる部分。

牛肉の部位としては、肩ロースに次に大きな部位。

特徴

 

肩肉は運動量が多く、牛の体重を支えるために筋肉が発達していて少し硬めの肉質。

脂肪分の少ない赤身肉で、女性にはうれしい”コラーゲン”が多く含まれています。

用途

肩肉は硬めの肉質なので煮込み料理にむいています。

・すき焼き
・鉄板焼き
・しゃぶしゃぶ
・カレー・シチュー
などに最適です

牛肩肉には、牛肉の希少部位”ミスジ”があり、ミスジは
・ステーキ
・焼肉
に最適。

肩ロース肉 

肩ロースは首から背中にかけてのお肉で、牛肉では一番大きい部位。

肩ロースの特徴

肩ロースは、濃厚な旨味のある部位で、赤身と脂身のバランスがとてもいいのが特徴。

リブロースに近い部分は、※きめ※が細かく霜降り(サシ)が多くやわらかい。

真ん中付近からネック前までは、赤身と上質な脂身が混ざりあった部分で濃厚な旨みがある部分。
肩ロースのなかでも、特に濃厚な味の部分。

ネック部分は、キメが粗く硬めの肉質で、煮込み料理のむく部分です。

肩ロースの用途

肩ロースは柔らかく、脂身と赤身のバランスがとてもいいので、
・すき焼き
・しゃぶしゃぶ
・鉄板焼
・ステーキ
・焼肉
などに最適。

肩ロースの真ん中部分には、稀少部位「ザブトン」があります。

「ザブトン」部分は、
・焼肉
・ステーキ
などに最適な部分。

濃厚な旨みは、他の部位にはない魅力です。

バラ肉

バラ肉は、牛のアバラ付近の部分。


バラ肉は、「ともばら」と


「かたばら」にわかれています。

ともばらの特徴

牛肉の部位の中で、特に脂の多い部分。

赤身と脂みが交互に重なっていて味も濃厚なのが特徴。

用途

・すき焼き(煮込みすぎると溶けてしまうのが難点)
・牛丼(脂身の甘さが最高!)
などに最適な部位。

脂の甘さが魅力的な部位なので、”おいしい牛丼”が食べたいときにはおすすめです。

かたばらの特徴

かたばらは、霜降りが多い「三角バラ」と、赤身肉の「ブリスケ」の2つからなっています。

三角バラの用途

三角バラは、霜降りが多く柔らかい部分。

三角バラは殆どが、
・焼肉
として使われることが多いです。

焼肉屋さんでは、「特選カルビ」または「上カルビ」などのとして提供されています。

三角バラはその他に、
・しゃぶしゃぶ
・すき焼き
・ローストビーフ
などにも使われます。

 

ヒレ肉 

ヒレ肉は、サーロイン脊椎の内側にあるお肉。

 

フランス語で“フィレ“、英語は“テンダーロイン“と呼ばれています。

ヒレ肉の特徴

ヒレ肉の特徴は、とにかく”やわらかい”こと。

脂身がほとんどない赤身肉なのに、とてもやわらかく牛肉の部位のなかでは1番のやわらかさ。

赤身肉なのでカロリーも少なく、ダイエット中の方にはおすすめの部位。

“シャトーブリアン“は真ん中部分にある身の厚い高級な部分。

牛肉1頭からわずかしかとれない、とてもやわらかい「稀少部位」。

ヒレ肉の用途

ヒレ肉の用途は、
・ステーキ
です。

その他にも、
・ローストビーフ
・焼肉
・ヒレかつ
などに使うのもありです。

 

ロース肉 

牛の背中部分にあるす部位。

キメが細く適度な脂肪がついていて、いろいろな料理に適している。

脂肪に旨味がありヒレ肉の次に柔らかい部位。

ロースは、
・「リブロース」
・「サーロイン」
の2つ部位があります。

 

リブロースの特徴

リブロースは、牛肉の中で一番霜降りが多い部分

上質な脂は、濃厚で旨味があり肉質はとても柔らかい。

特に肩ロース側の身の厚い部分は、霜降り具合がつよく入り、とてもジューシーな部分。

“リブ“ “ロース“の語源で、”リブ”は英語の「rib(肋骨、あばら)」
”ロース”は「roast(焼く)」から来ています。

用途

その語源通り、一番おいしい食べ方は焼いて食べるのが一番

焼いてたべるというと焼肉を思い浮かびますが、
リブロースは厚切りで切ったお肉の表面を焼いて
旨味を閉じ込めることでおいしいい部位

なので、リブロースは厚めにカットした、
・ステーキ
が一番のおすすめ。

霜降り肉なので、とても柔らかく、脂の旨味は他の部位にはない”甘み”があります。

 

上質な霜降り(サシ)がはいったリブロースの他の用途は、
・すき焼き
・しゃぶしゃぶ
・焼肉
・ローストビーフ
などどのような料理にもあいます。

リブロースの一部にある“かぶり“という部分は、霜降り具合が特に抜群で、生で食べる「牛刺し」や「ユッケ」に最適。

もも 肉

牛モモは、牛のお尻付近のお肉。

牛モモは、「外もも」「うちもも」「しんたま」「ランイチ」の4つの部位を相称したもの。

それぞれの、特徴と用途をご紹介します。

外もも

お尻からスネにかけての運動量の多い部位。

外ももの特徴

外ももは、牛の体重を支えるためにのよく使う重要な筋肉。
※きめ※は粗く硬めの肉質。

※※きめとは?

きめは、骨格筋を線維の方向に対して直角に切ったときの切り口で、筋束同士がくっついている様子のこと。「きめが細かい」というのは、個々の筋束の直径が小さいことを示している。筋束が細いと筋線維を束ねている筋膜も薄く、物理的強度が小さいため加熱調理した肉もやわらかい。同じ種類の肉で同じ部位で比較した場合は、きめが細かいほど肉質がやわらかく、高品質とされる。一般的に運動量が多い、あるいは強い力を出す筋肉はきめが粗い。日本食肉消費総合センター

キメが粗い=肉質が硬め
キメが細かい=肉質は柔らかい
の肉質になります。

 

外ももの用途

外ももは、
・すき焼き
・しゃぶしゃぶ
・鉄板焼き
・煮込み料理
などに適しています。

うちもも

 

うちももは、外ももの内側にあるもも肉の一部分。

 

うちもも・しんたまの特徴

うちもも、しんたまには脂が殆どなく、きめが細かく、肉質は柔らかめ

全体が赤身肉なのでサッパリした肉質でカロリーも低くヘルシーな部位。

うちももは全体的に柔らかさにばらつきがないのが特徴。

うちもも・しんたまの用途

うちもも、しんたまの用途は、
・す
き焼き
・しゃぶしゃぶなどに。
・焼肉
・ステーキ
に最適。

特に内ももは、全体的にやわらかく、形が整っていることもあり、
・ローストビーフ
のおすすめです。

ランイチ

ランイチは”ランプ”と呼ばれることが多く「ランプ」と「イチボ」からなるお尻付近の部位。

最近人気の稀少部位“イチボ“もランイチに含まれます。

ランイチの特徴

ランイチはサシが入りにくい赤身肉なのに柔らかい肉質

 

サーロインの隣の部位なので、ロース系のやわらい部位の代用品としても十分です。

ロース系に比べお値段とカロリーが低いこともあり、最近では人気の部位になっています。

 

ランイチの用途

肉質の柔らかさからどんな料理にも合います。

ランイチは、
・すき焼き
・しゃぶしゃぶなどに。
・焼肉
・ステーキ
・ローストビーフ
に最適。

レバー 

牛レバーは、牛の肝臓。

牛レバーの特徴

牛レバーは、
・やわらかい肉質
・濃厚な味わい
・鶏レバーに比べると臭みがある
・貧血予防や抗酸化作用に必要な「ビタミンB12」「ビタミンE」が豊富
なのが特徴です。

下処理を丁寧にすることで、臭みもとれて美味しくなります。

牛レバーの用途

牛レバーの用途は、
・レバニラ炒め
・揚げ物
・赤ワイン煮込み
・焼き肉
などに向いています。

 

タン 

タンは、牛の舌。

タンの特徴

牛タンは焼肉の定番として人気の部位。

あまり動かさない根本部分をタン元
よく動かすタンの先端部分をタン先
タン元とタン先の間をタン中といいます。

タン先とタン元では肉質が全く違います

牛1頭からわずか1~1.5㎏位しかとれない希少部位

牛タンは、タンパク質や鉄分、ビタミンBが豊富。
脂肪分が少なく、ヘルシーにみえますがカロリーはかなり高め。

牛タンのカロリーは、脂身のおおい牛ロースとほぼ同じで、100gあたり269Kcal。

参考までに牛ロースのカロリーは100gあたり260Kcalです。

タン元の特徴

一般的に動物の筋肉(お肉)は、運動量が多い部分ほど硬くなり少ない運動量の部分の肉質はやわらかくなります

タン元はあまり動かさない部分で、霜降りもあり、柔らかい肉質。

タン元の用途

・焼肉
・ステーキ
・しゃぶしゃぶ

タン中の特徴

タン中は、程よいやわらかさの部分。

タンなんかの用途

・焼肉

タン先の特徴

タン先はよく動かす先端部分なので
肉質は硬い。

タン先の用途

・煮込み料理

心臓 

牛の心臓部分。

心臓の特徴

牛の心臓は、筋繊維が細かいため歯切れがよく、コリッとした食感。

心臓は、脂も少く匂いもなく味は淡泊な部位。

心臓の栄養素は、
・ビタミンB1
・ビタミンbB2
・ビタミンE
・たんぱく質
・タウリン
・鉄分
など。

心臓は、不眠や冷えなどの改善効果のほか美容にもいいといわれています。

心臓の用途

・焼肉
・炒めのの
・煮物

 

一日のプリン体摂取量

痛風治療のガイドラインでは、一日のプリン体摂取を400mg以下に抑えることが推奨されています。

一日のプリン体摂取量を400mgに抑えるためには、
・高プリン体の摂取回数を減らす
・3食のうち1食でもプリン体の少ない食品を中心の食事メニューにする
ことで一日のプリン体摂取量を400mgに抑えることができます。

プリン体含有量が多い・少ないとは?

プリン体含有量が「多い」「少ない」とはどのくらいの含有量なのでしょうか?

高尿酸血症と痛風治療のガイドラインでは、食品100gに含まれるプリン体含有量が、
・300mg以上 ・・・極めて多い
・200~300mg ・・・多い50~100mg
・50〜100mg・・・少ない
・50mg以下・・・ 極めて少ない
としています。

プリン体含有量が極めて多い(300mg以上の)食品

食品 プリン体含有量
クロレラ 3183mg
煮干し 746mg
かつお節 493mg
アンコウ肝(酒蒸し) 399mg
干し椎茸 380mg
鶏レバー 312mg
イサキ白子 306mg
マイワシ干物 306mg

プリン体が多い(200~300mg)食品

食品 プリン体含有量
豚レバー 285mg
大正エビ 273mg
マアジ干物 246mg
オキアミ 226mg
牛レバー 220mg
カツオ 211mg
マイワシ 210mg
サンマ干物 209mg

今回ご紹介した8品の「プリン体が多い」食品は、1回に食べる量が100g以上となる場合が多いです。

食べる量に十分に気をつける必要があります。

『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』の「1日400mgを目安に」「1日400mg以下」に抑えるようにしましょう。

プリン体含有量の多い食品の食べ過ぎに注意するのは勿論のこと、尿酸の排出を助けてくれる「きのこ類」「海藻類」などの食品と一緒に食べるようにしましょう。

プリン体含有量が少ない(50〜100mg)食品

豚ロース、豚バラ肉、牛タン、ラム肉、うなぎ、 ベーコン、ほうれん草、カリフラワー、アーモンドなど

プリン体含有量が極めて少ない(50mg以下)の食品

玄米、白米、パン、そば、豆腐、牛乳、卵チーズ、魚肉ソーセージ、キャベツ、トマト、にんじん、 もやし、オクラ、海藻類、果物類など

 

痛風リスクをなくす牛肉のプリン体含有量まとめ

ある日突然、ホントに突然痛風発作はおこります。

人は誰しも、痛い思いをしないと「痛い辛さ」がわかりません。

痛風の痛みは、一度の経験でいいです。

何度もはごめんです!

痛風発作を経験した人はみなさん、同じ意見です。

「痛風の痛さ」「痛風の辛さ」は二度と経験したくない!

二度と痛風にならないための対策は、ちゃんとできていますか?

痛風発作を起こさないためには普段から、プリン体摂取量を400mg以下に抑えることが必要です。

そのためには、毎日の食事に気をつけることが予防になります。

プリン体摂取量を400mg以下に抑えるためには、
・高プリン体の摂取回数を減らす
・3食のうち1食でもプリン体の少ない食品を中心の食事メニューにする
ことが必須です。

まずは、今のご自分の食事を見直してみるのもいいかもしれません。

そして、プリン体含有量の多い食品を控えることも普段から気をつけましょう。

今回ご紹介した、「プリン体含有量の多い食品」「少ない食品」を参考にしてください。

お互いに、痛風発作に気をつけましょう!

最後までお読みいただきましてありがとうございます。

 

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