豚肉ブロック 切り方

【肩ロース角煮がかたい!】硬くなる5つの原因と対処法とは?

豚角煮をつくるといつもかたくなってしまうのは

なぜ???

 

「角煮がかたくなる」のには「かたくなる原因」があります。

角煮がかたくなる原因と対処方をご紹介します。

この記事では「角煮がかたくなる原因」、
・下茹でが足りない
・調味料を入れるタイミングが早い
・お肉が空気に触れている
・みりんを使っている
・切り方を間違えているかも
の順番でご紹介します。

では、はじめます!

肩ロース角煮がかたくなる原因とは?

箸で切れるほどやわらかい角煮は食事の主役にもお酒のおつまみにも最適。しかし、調理の仕方によっては「かたく」「ボソボソ」した角煮になってしまします。

角煮がかたくなる原因はいくつかあります。

あなたの作った角煮が「かたい」原因は次のうちの、どれに当てはまるでしょうか?

下茹で時間が足りない

「やわらかい角煮」をつくるのに欠かせないのが、角煮用の豚肉の下処理。

一般的な下処理は水にねぎの青い部分などをいれて「下茹でする」方法。

角煮を販売している業者さんは、何時間もかけて下茹でするします。下茹でするすることで余分な脂がおちて臭みのないジューシーな角煮になります。

それでは、肩ロースの下茹での仕方と作り方をご紹介します。

 

材料

(作りやすい分量です。)

1kg
適量
適量(水の10%位)
適量
ひとかけ
A 大さじ4
A 大さじ3
A 大さじ3
A 大さじ4
A 大さじ3
A 200cc
B 大さじ1.5
B 大さじ2
お好みで
お好みで
お好みで

作り方

1 豚(肩ロースブロック)はそのまま鍋に入れ、ヒタヒタの水と酒、長ねぎの青い部分、生姜を入れ、表面にキッチンペーパーを二重に重ねて乗せて蓋をして、ごく弱火で2時間茹でます。
2 茹で上がったら茹で汁200ccだけ取り、そっとザルにあけ、流水で洗い、キッチンペーパーで水気を拭き取り、大きめの角切りにします。(お肉がとても柔らかいので優しく^ ^)
3 鍋にA酒 大さじ4、みりん 大さじ3、砂糖 大さじ3、醤油 大さじ4、オイスターソース 大さじ3、豚の茹で汁 200cc

を煮立て、切った豚肉を入れ、時々返しながら20分煮込みます。

4 ゆで卵を加えてたまに上下を返しながら冷まします。
5 冷めたらお肉とゆで卵だけを取り出し、煮汁を煮立て、B片栗粉 大さじ1.5、水 大さじ2

で作った水溶き片栗粉でとろみをつけたらお肉とゆで卵を戻し絡めます。

6 お皿に盛り付け、茹でた季節の青菜(今回は菜の花です)、辛子を添えたら出来上がりです^ ^
7 薬膳効果
☆豚肉…滋養強壮に、肌の乾燥に、喉の渇きに、便秘に、ビタミンB1を多く含み、疲労回復、脳神経の働きを正常に保つ☆卵…体液や血液を補い、虚弱体質の改善に、精神不安に、不眠に

☆菜の花…肝機能の改善、免疫力アップ、風邪予防、ガン予防

ポイント

下茹では最初からずっと弱火で徐々に温めじっくり火を通す事で驚くほど柔らかくなりますよ^ ^

https://oceans-nadia.com/user/45109/recipe/370505を参照

 

調味料を入れるタイミングが早い

下茹でが不十分な状態でいれてしまうとお肉がかたくなる原因になります。

特に塩分をくわえ煮込むと、どんどん硬くなります。

しっかり下処理したあとに調味料をくわえることで、「柔らかい」角煮になります。

お肉が空気にふれている

下茹では角煮用の豚肉が「ひたひた」になるくらい十分に水をいれます。

これには理由があります。

角煮用のお肉が空気にふれていると表面がかたくなり「ぱさつき」の原因に。

下茹での時、水が蒸発して少なくなってきたら足して、お肉が空気に触れないようにしてください。

そして、調味料を入れた後は水分の蒸発でお肉が空気にふれるのを防ぐために「落し蓋」は必須です。

みりんを使っている

みりんは日本の代表的な酒類調味料です。

みりんと呼ばれるものには「本みりん」と「みりん風調味料」があります。

違いはアルコール分。
・本みりん・・・アルコール分約14%
・みりん風調味料・・・アルコール分1%未満

本みりんは、焼酎やアルコールに米麹と蒸した米を加えて米のデンプンを数か月かけて糖化させて絞った甘いお酒。かつては、お屠蘇や甘酒などの飲用でした。

みりんは、砂糖より高級な味をだしたり原料の米の発酵により複雑な味やコクをだします。みりんは入れることで料理がおいしくなる調味料。また、魚臭を消す効果もあります。

みりんにはいっているアルコールは、「タンパク質の凝固を促進」する効果があります

荷崩れしやすい身を引き締めたい料理には早めに加えると食材の旨味を閉じ込めることができます。

しかし、

肉を硬くしたくない角煮などの料理には最後に加えます。

みりんは、お肉の旨味成分のひとつ「タンパク質」が硬くなるのを促進する効果があるので「いれるタイミング」は非常に大事です。

豚角煮に最適な肩ロースの特徴

角煮用豚肉の部位は、バラ肉を使う人が多いですが「肩ロース」も人気の部位。

肩ロースは、部分によっては「キメが細かいやわらかい部分」「キメが粗い硬め部分」と肉質がちがいます。

トロトロのやわらかい角煮に最適な部分は「キメが細かいやわらかい部分」。

わかりやすいように実際に画像でご紹介します。

トロトロの角煮用の肩ロース肉の選び方


肩ロースは画像左側がやわらかく右に行くほど硬めの肉質になっていきます。

これを小分けして「肩ロースブロック」で販売しています。

下の画像がやわらかい部分。脂身が適度に入っています。


そして、こちらが硬めの部分。脂身はありますが、ちょっと筋っぽい部分が多いです。

やわらか角煮に最適な部分は一枚目の画像の部分。


このような形にカットされてお店に並んでいます。この部分を選んでください。

肩ロースのやわらかさを左右する繊維の向きとやわらかくなる正しい切り方

お肉には、「やわらかさ」や「硬さ」を左右する繊維の向きがあるのご存知でしょうか?

お肉の繊維の向きを理解して、正しい切り方をしないと、折角手間かけて料理したお肉が、硬くなり台無しになってしまいます

今から、肩ロースをやわらかくするための、繊維方向の見分け方お肉が柔らかくなる正しい切り方をご紹介します。

 

肩ロースの繊維の見分け方

これが、スーパーの肩ロースブロック。切りやすいように、長方形にカットされています。

肩ロースの繊維は、矢印方に左右に長くのびています。溝みたいな線が左右に伸びているのが分かるでしょうか?


これが肩ロースの繊維の方向です。

 

お肉の繊維は非常に丈夫で、加熱しても、柔らかくならず口に残ってしまいます。
これが「硬さ」の原因の一つ。

この繊維は、お肉の中に長く伸びた状態になっています。そして、「やわらかさ」や「硬さ」を左右します。

しかし、正しい切り方をすると、柔らかくなります。それでは、正しい切り方をご紹介します。

 

肩ロースがやわらかくなる正しい切り方

お肉を柔らかくする正しい切り方は、

繊維に対して直角に包丁をいれ筋目を短く切る

ことで柔らかくなります。

 

柔らかくなる正しい包丁の入れ方は、左右に伸びている繊維を

繊維が短くなるように切る。

お肉をやわらかくする正しい切り方は、
繊維に対して直角に包丁をいれ筋目を短く切る
ことだったので

上の写真のように切ることで「柔らかいお肉になります。

当然ですが、繊維に沿って包丁を入れてしまうと硬くなります。
天と地ほどの差がでますので気を付けてください。

この筋目の見方と、正しい切り方がわかると、「食べた時の食感」がやわらかいお肉になります。

この切り方は、いろいろな料理に応用できます。当然、角煮に応用できますので、この機会に覚えておくといいですよ。

今回の肩ロースの切り方の画像は「焼肉用の厚さ」の切り方でしたが、角煮に切るのであれば、もう少し厚め(3cm位)に切った方がいいと思います。

お肉の繊維方向の見分け方と、正しい切り方は、あなたの料理の腕をワンランクアップさせてくれます。ぜひ、参考にしてください。

角煮がかたくなる原因まとめ

豚角煮をつくるといつもかたくなってしまう

のはなぜ?

あなたの疑問は解けましたか?

角煮がかたくなる原因に、
・下茹でが足りない
・調味料を入れるタイミングが早い
・お肉が空気に触れている
・みりんを使っている
などがあることをご紹介しました。

が、

一つでも当てはまったことありましたか?

改善方法もご紹介しましたが参考になりましたか?

やわらかい角煮を作るためには
・「原因」を知ること
・やわらかくなる部位と場所を選ぶ
・やわらかくなる正しい切り方をする
ことも重要です。

今度は、この記事を参考に「やらかく」「トロトロ」でおいしい角煮つくって下さいね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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はじめまして。私は某スーパーで精肉部門責任者歴30年のお肉のプロです。スーパーには毎日沢山のお客様が来店され色々なお肉の質問を受けます。「えッ、こんな疑問があるのか!」と気づかされることが多いです。お肉の疑問を解決して、「おいしいお肉」を食べてほしい!そんな思いから「お肉の基礎知識」などをブログで発信しています。少しでも、あなたのお役に立てたなら嬉しいです!