牛肉料理

中が赤色のローストビーフって大丈夫?生焼けが大丈夫な理由をお肉のプロが解説

ローストビーフの中が赤色

これって、大丈夫なの?

答え、
問題もありません大丈夫です!

ローストビーフの中身が赤色を食べても大丈夫な理由をお肉のプロが解説します。

この記事では、
・ローストビーフの生焼けが大丈夫な理由
・生焼けになった理由
・切らずに生焼けを確認する方法
などをご紹介します。

では、はじめます!

ローストビーフの生焼けが大丈夫な理由

牛肉は飼育環境や牛肉本来の体質から、中心部には細菌をもっていません

しかし、レバーやホルモンなどの消化器官には
・腸管出血性大腸菌O157
・カンピロバクター
などの「細菌」がいます

レバーやホルモンなどの消化器官をの除く部位はレアでも食べることができるので、本来は生焼けでも問題ありません。

では、なぜ、生焼けになっていまったのでしょう?

ローストビーフが生焼けになった理由

ローストビーフの中が生焼けになった理由は、
・冷蔵庫から出してすぐに調理してしまった
・ブロック肉の湯煎時間が足りなかった
が考えられます。

冷蔵庫から出してすぐに調理してしまった

お肉は、ローストビーフに限らず、調理する前には冷蔵庫からだして常温に戻しておくと火が中まで通りやすくなります。

調理する30分前くらいには、冷蔵庫から出して常温に戻しておくことで失敗が少なくなります。

ブロック肉の湯煎後の予熱時間が足りなかった

ローストビーフに使うブロック肉は大きさ(重さ)で予熱時間が変わってきます。

大きいほど、予熱時間が長くなります。
大体の目安をご紹介しておきます。

・300〜400g・・・約25分
・400〜700g・・・約30分
・700〜1K・・・約40分
が大体の目安になります。

しかし、実際に中まで火が通っているの切るまでわりませんよね。

切らずに確かめる方法があるのでご紹介します。

生焼けを切らずに確認する方法

ハンバーグなどに使われる方法なんですが、

竹串で刺してみる

一番簡単な方法は、
ローストポークの最も身の厚い部分に竹串を刺して確かめる方法

竹串を抜いた部分から、透明な肉汁がでてきたら、中まで火が通っています

赤っぽい肉汁は、まだ、加熱が必要のサイン。もう少し加熱してください。

料理用の温度計をつかう

竹串で確かめても、どっちか判断が難しいと感じることもありますのね。

そんな時は、料理用の温度計を使って確かめる方法があります。

豚ブロックに直接さして、中の温度を、「正確」に目で見ることができます。

肉に刺して、推奨温度に達しているかどうかが「正確」にわかります。

竹串を刺して肉汁の色を見分けるよりも、はるかに簡単で、「数字」で「正確」に見ることができるので安心ですよね。

生焼け防止のためには湯煎後のひと手間が大切です。

そのひと手間が、、

生焼け防止のひと手間・余熱

ローストビーフの生焼けを防止るためには、湯煎後すぐに冷蔵庫にはいれずに、余熱を利用して、中まで火を通すことで失敗をなくすことができます。

加熱温度や調理環境にもよりますが、火からおろした肉は「余熱」で中の温度が少しあがります。

仕上がりのお肉の中心温度が75度以上であれば大丈夫です。

なぜ、仕上がりのお肉の中心温度が75度以上なのか?

これには、ちゃんとした理由があります。

キーワードは「細菌の死滅温度」です。

細菌を死滅させる温度

牛肉は、牛肉は飼育環境や牛肉本来の体質から、中心部には細菌をもっていません

しかし、レバーやホルモンなどの消化器官には
・腸管出血性大腸菌O157
・カンピロバクター
などの「細菌」がいます

牛肉の加工段階で、レバーやホルモンなどの細菌が他の部位の表面に移ることがあります。
これらの細菌は、体に入ることで食中毒を引き起こすことがあります。

ですが、この細菌は加熱することで死滅します。

細菌の死滅温度を一覧表にまとめてみました。

カンピロバクター 食材の中心温度が75度以上で1分間以上の過熱が必要
腸管出血性大腸菌 食材の中心温度が75度以上で1分間以上の過熱が必要
トキソプラズマ 食材の中心温度が67度以上で2分間以上の過熱。または、-20度で8時間以上の冷凍が必要
E型肝炎ウイルス 食材の中心温度が63度で30分間以上の過熱が必要
サルモネラ菌 食材の中心温度が75度で1分間以上の過熱が必要
病原性大腸菌 食材の中心温度が75度で1分間以上の過熱が必要
腸炎ビブリオ菌 食材の中心温度が75度で1分間以上の過熱が必要
ノロウイルス 食材の中心温度が85度で1分間以上の過熱が必要
ボツリヌス菌 100度の過熱でも死滅しない

食中毒をひきおこす、その他の細菌は、食材の中心温度が63度で30分以上の過熱が必要」といわれています。

牛肉の細菌は、食材の中心温度が75度以上で1分間以上の過熱で死滅します。

ローストビーフも、食中毒リスクを考えると、しっかり中心部まで加熱の必要があります。

まとめ

この記事では、
・ローストビーフの生焼けが大丈夫な理由
・生焼けになった理由
・切らずに生焼けを確認する方法
などをご紹介しました。

牛肉は、レバーやホルモンなどの消化器官以外には無菌です。

ローストビーフの中が赤色

これって、大丈夫なの?の答えは、
当然無菌なので、生焼けでも問題ありません。

しかし、加工段階や調理の段階で表面に細菌がつくことがあるので、表面の加熱はしっかりすることが必要です。

ローストビーフを食べるうえでは、牛肉の細菌について知ることで食中毒リスクを最小限におさえることができます。

牛肉の場合は、お肉の中心部分の温度が75℃以上で1分間以上加熱することで、細菌を死滅させることができます。

生焼けの牛肉を食べる行為は、食中毒を隣り合わせです。

なので、細菌の知識もあわせて身につけることで食中毒を防止できるようになります。

ご参考にしてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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